2008年7月14日 (月)

新しい内膜症治療薬

0807112 ★今日のお花★オリエンタルリリー・ベラドンナ・ブルーファンタジア・アジサイ・ドラセナ・タニワタリ・サザンクロス

7月にとうとう第一世代の一相性低用量ピル「ルナベル」が発売になりました。特に新しいお薬ではなく以前はオーソという名前で処方されていたピルです。これが今回、子宮内膜症の疼痛緩和のために、はじめて保険適応になった低用量ピルなのです。今年は1月にやはり子宮内膜症治療薬の「ディナゲスト」が発売となり、2008年は内膜症治療が非常に進歩した1年になりそうです。子宮内膜症の治療は現在、薬物療法だけではなく、手術療法も進歩して、非常に充実してきました。いまや子宮内膜症(エンドメトリオーシス)は症状やライフスタイルにあわせて上手に治療を選べる時代になりました。

ミレーナ(レボノルゲストレル除放型IUS)も含めて、どの治療法がどれほど効くのか、日々が勉強の毎日です。今の正直な感覚では、薬物療法では9割の子宮腺筋症の方には、ミレーナが最も有効で、子宮内膜症(チョコレート嚢腫や、深部内膜症)の方には、超低用量ピルが良いように思います。ディナゲストという新薬も強力に効きますが、治療中も毎日楽しく生活するという要素をいれると超低用量ピルのほうが、効き目大です。

ただ手術療法が圧倒的に根治療法になるのはいうまでもないことです。最近では40歳以上で4センチ以上(今は4センチ以下でも危険があることがわかってきましたが)のチョコレート嚢腫がある場合は、癌化の可能性があるといわれています。ですから、手術後に再発防止のために超低用量ピルを使用するのが一番根治に適していると思われます。ただ、どうしても手術はもう少し、先延ばしにしたいとか、閉経まで逃げ込みたい、、、時は薬物療法も一考の価値があると思います。

同じ薬でも、病変の状態や、人によって、効果にバラツキがあります。内膜症の治療でご意見がある方!、、、是非お寄せください。

医師 ikucom

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2008年6月25日 (水)

ミレーナの料金がお手ごろになりました

0806173 ★今日のお花★グラジオラス・オンシジューム・アルストロメリア・ユリ

ミレーナの料金がお手ごろになりました

先日ミレーナの勉強会に参加してきました。日本に初めてミレーナを導入し、子宮筋腫など過多月経の治療に尽力された神戸大学前教授の丸尾先生のご講演でした。

先生はその昔、避妊を目的にミレーナを挿入された患者さんの「いままで大量出血をして、生理のたびに恐ろしい思いをしていたのに、おかげさまで、生理が目薬をたらす程度に激減した」というひとことで、アメリカの学会を動かされ、神戸大学で過多月経の患者さまにミレーナを特別に使用する許可をお取りになり、研究をつづけられたそうです。現在そのミレーナは日本でも使用できるようになりました。これも、先生の長年の研究とご尽力のおかげです。この非常に優秀なツールを正しい知識のもとに、治療に役立てて生きたいと心から思いました。このミレーナが日本に普及するのに一番のネックはその知名度の低さでしょう。全国ではすでに患者さんが、独自に調べられて、「ミレーナをいれてください」と外来にいらっしゃることが多いそうです。その一方、「子宮内に挿入する」ことや、「ホルモン付加」という側面で、受け入れられないことも実情です。また、保険適応外というのも患者さんには負担です。今回、ミレーナが発売されて、約1年、当院でも69800円でミレーナを挿入できるようになりました。ミレーナは「子宮内に挿入し、ホルモン付加されている」から、良いのです。血液中にむやみにホルモンが上がらず、子宮の中だけに作用するのですから、、

海外では、3ヶ月に1回の皮下埋め込み式のピルや一週間に一度張るだけのピルも普及しています。あくまで、ホルモン療法は飲み薬より、皮膚や組織を通して付加するほうが肝臓への負担も少なく、良いのです。また、飲み忘れによる治療効果や避妊効果の低下を防ぐという意味で、「毎日内服」という法則はこれから廃れていくでしょう。

婦人科のホルモン療法は現在、日進月歩でどんどん進化しています。わたしも遅れないように、なるべく最新で効果的な治療を提供できるように勉強いたします。

                                                         医師 ikucom

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2008年2月13日 (水)

新しい避妊法「ミレーナ」レボノルゲストレル付加IUSについて

Mire2 「ミレーナ」、まだ耳なれない言葉ですが、2007年4月に発売された子宮内避妊システム(IUS:Intrauterine System)です。

メーカーのHPはこちらです。(こちらもご参考にしてください

http://www3.kct.ne.jp/~ikucom/ お問い合わせが多いため詳しいご説明のページをつくりました。

ミレーナ®52mgは、レボノルゲストレル放出子宮内避妊システムという全く新しい避妊法です。簡単に説明すると、ピル(経口避妊薬:高い避妊率)と、リング(IUD:子宮内避妊用具:長期の避妊)というのふたつの長所を併せ持つ製剤で、5年までの装着期間が承認されています。海外では、すでに111カ国で避妊を適応として承認されており、世界中で最も信頼されている避妊法のひとつです。

これは私たち女性にとっても耳よりなトピックスですね。

Mire1_2   ではミレーナはどういうものか具体的に説明いたします。

ミレーナは、子宮の中に挿入します。
レボノルゲストレルという、薬剤が添加されていて 子宮の内膜(生理のときに剥がれ落ちる膜)の成長を ゆっくりと5年間抑えてくれます。
子宮内避妊器具として、開発されたものですが、

①過多月経(生理が多く、貧血が進んでしまう)
②月経困難症(生理痛がひどい)
③子宮腺筋症(子宮の筋肉に内膜症病変があるとき)
④一部の子宮筋腫

で現在治療に使われています。

●ミレーナの特徴 
①子宮内膜(生理のときに剥がれて出血する膜)の 成長をおさえて、生理の出血を少なくします。 生理痛も軽くなります。

②低容量ピルなどのホルモン剤と違って、血液中にホルモン (レボノルゲストレル)の濃度はほとんど上がりません。 添加された薬剤は子宮だけに作用し、血液中にはほとんどはいりません。

子宮内膜症、子宮腺筋症を治療します 子宮内膜症や子宮腺筋症の病変細胞をゆっくり退縮させ 治療します。また子宮体癌を予防します

生理はご自分の周期できます

 ミレーナは子宮にしか作用しません。生理は軽くなりますがご自分の周期で発来します。ただし、子宮の内膜に作用し、出血する膜を薄くするので、100人に3人の方は、挿入後1年以内に生理の出血がなくなります。ただし出血がないだけで、生理をおこすような性周期は体のなかで保たれています。

妊娠しません

ミレーナにより赤ちゃんのベットになる膜が薄くなるため、着床がおこらず妊娠はしません。ただし排卵はきちんと保たれます。

5年間有効ですが、妊娠希望が出たら除去することで、すぐ妊娠する事が可能です。当然妊娠や胎児に影響はありません。

更年期もご自分のペースで自然にきます。

生理はなくなりますが、ホルモンのバランスは変わらないので、更年期はご自分のペースでやってきます。(ミレーナによって薬剤性の更年期はきません)

●ミレーナの副作用
①脱出してしまうことがあります:ミレーナは子宮の内部の形のゆがみや変形があると脱出してしますことがあります。

②痛み:ミレーナを入れたあとに、痛みが続くことがまれにあります。必ず医師に相談してください。

③出血:ミレーナを挿入後、約1ヵ月から3ヶ月は少量出血が続きます。これは子宮の内膜に薬剤の効果が浸透している結果なので心配要りません。
*体重増加作用はありません。

●ミレーナが使えない方
①子宮筋腫によって子宮内腔が変形している方(脱出してしまうことがあります)
②子宮口が狭い方(子宮内に挿入できないことがあります)
③性感染症がある方(感染を治療してからの挿入になります)

●ミレーナの料金

8万6000円(保険適応外です。診察料を含めての料金)です

初回のカウンセリングは無料で行っておりますので、お気軽にご相談ください(予約制)。

ミレーナは避妊だけでなく、月経困難症(ひどい生理痛)や子宮内膜症などの治療にも活用されています。避妊法としては、低用量ピルに続き女性の選択肢が広がる方法がやっと認可されたという印象です。ご相談の上、最も適した方法を実施させていただきます。

※お電話にてご予約の上(電話:086-427-1616)、ご来院ください。

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2008年2月 8日 (金)

子宮内膜症・子宮腺筋症について★当院婦人科にて「マーシロン28(超低容量ピル)」処方と「レボノルゲストレル付加IUS(ミレーナ)」を実施しております

0801162 ★今日のお花★ムギ・フリージア・カーネーション

1月は日本エンドメトリオーシス研究会にいってまいりました。大変勉強になりました。当院でも、2月中旬から私の責任の範囲において(個人輸入)、マーシロン28(超低容量ピル)を処方できるようにいたしました。エストロゲン(エストラジオール)の含有量が0.02mgと少ないため、継続用法が可能で子宮内膜症や子宮腺筋症の方にはマーベロン28より更に有効と思われます。また、他のピルと同じ値段(2000円/月)でお分けし、他のマーベロン28などと飲み比べたり、健診・不正出血などの異常時には婦人科医師が対応できるようにいたしました(婦人科のページはこちらです)。

また、子宮腺筋症に関しては、やはりレボノルゲストレル付加IUS(ミレーナ)が大変好評をいただいており、充分に適応を検討し、ご説明したうえで治療に取り入れています。

ミレーナはトリキュラー28などに含まれる黄体ホルモン成分のレボノルゲストレルが添加されている子宮内避妊システムです。ミレーナ挿入後の初回の月経から、月経困難症状はかなり改善され、不正出血が約3~6ヶ月ほど続きますが生理の量は著しく減少します。実際平均約4ヶ月ほどで、CA125が正常に近くなり、座薬は必要なくなってしまいます。

もし、子宮内膜症や子宮腺筋症で、過多月経や月経困難症に我慢されているようでしたら、ご相談ください。

1月よりジエノゲスト製剤等の第四世代の新しいアプローチも始まりました。子宮内膜症はご自分のライフスタイルに合わせて、上手に治療できる病気です痛み止めだけで我慢されているようでしたら、婦人科の門を思い切って叩いてみてくださいね。

子宮内膜症というと、ひどい病気と思われる方がおられるかもしれませんが、生理の際の腰の重いような不快感もそのような病名がついてしまいます。婦人科の受診は恥ずかしいものではなく、自分の身体の定期的チェックとして、お気軽にご相談いただければと思います

婦人科医師 ikucom

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2007年5月11日 (金)

子宮腺筋症・子宮内膜症の方に朗報です~ミレーナ(レボノルゲストレル付加IUS)が認可を受けました~

0704244 ★今日のお花★トルコキキョウ・カラー・ベラドンナ・ナルコラン・ソリダコ・キンギョソウ

○子宮腺筋症とは?

子宮内膜症の一部で、子宮の筋肉の中に内膜症が出来てしまう疾患が、子宮腺筋症です。

子宮腺筋症は子宮の筋肉が厚く肥大し、固くなってしまうので、子宮の筋肉の収縮が上手にできなくなり、生理の出血をスムーズに止められなくなってしまいます。その結果、生理の出血量が増えて、貧血になったり、生理痛がとっても強くなったりします。

○子宮腺筋症の治療法は?

 この子宮腺筋症の治療は、軽度では低容量ピル、中等度以上ではホルモン注射(GN-RHアゴニスト療法)が一般的でした。特に、閉経前の不正出血とかさなり貧血が強い場合は、副作用の更年期症状が強いホルモン注射や手術療法(子宮摘出術)が一般的でしたが、今回、薬剤添加IUS「ミレーナ」が日本でも導入され、話題になっています。

子宮の中にお薬の添加された小さな避妊リングをいれておくと、血液中のホルモンの値はあまりあがらないのですが、出血が減り、また同時に子宮腺筋症も良くなってしまうというものです。低容量ピルは喫煙をされる方は血が固まりやすくなるというリスクがありましたが、この「ミレーナ」は喫煙されている方でも使用できます。一度入れると、5年間は作用が持続するため、通院が困難な方にも便利です。

もともと「ミレーナ」は避妊リングとして開発されたものですが、海外では子宮腺筋症に効くというこの副効用が非常に注目され、研究がすすんでいるようです。

現在では子宮腺筋症や乳がん術後のホルモン療法による不正出血・子宮体癌の予防にも使用されているようです。日本ではまだ保険対象外の治療法ですが、低侵襲、低副作用で子宮を温存できる治療法が選択肢として加わることで、更に女性にやさしい時代がやってきたのは喜ばしいことです。                

婦人科医師 ikucom

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